作用幾何学について解説します.
ガウスは三次元空間内の二点を通る直線を「を固定するような変換の下で不変な点の集合」と定義したそうです.を固定するような合同変換はを通る軸の周りの回転だけになり,それで不変な点は確かにを通る直線になります.
このことに範をとり,群が集合上に作用しているとき,集合上に直線を書くことができそうです.早速定義をしていきましょう.
この文章では一貫して群が集合に作用しているとする.また群の元はギリシャ文字で,集合の元はラテン文字を用いて表すことにする.
定義1に対し,の部分群をの両方を固定するの元全体の集合とする.
定義2 に対しの部分集合を,任意のの変換で不変なの元の集合とする.これをを通る直線と言い表す.
定理3について,ならば
(証明) ならばより.よって(証明終わり)
定理4について,ならば
(証明)定理3より.従ってより定理が言える.(証明終わり)
定理5,とする.このとき集合との間には全単射があり,その対応はに対してを対応させることで得られる.
(証明)とすると,より,が言える.
ならゆえに単射性が言える.
とすると,が容易に分かる.よってが存在し,が言える.これで写像の全射性が言えた.(証明終わり)
定理6,とする.このとき集合と集合の間には全単射があり,その対応はに対してを対応させることで得られる.
(証明)定理5より任意のに対してが存在してとなる.このときが言える.ここでであることを用いた.従ってであることが言える.単射性は群の作用より証明できる.に対してはの元であることが言える.これより全射性が言える.(証明終わり)
長くなったので記事を分割します.これから中点,球,平行移動について定義し,その性質を見ていきたいと思います.
(この文章はフィクションです.作用幾何学という分野は存在しません.)