名前のない定理

マニアックな数学

自由研究 ヒルベルトの数論報告を読む #4

続いて代数的整数の定義がなされます.

代数的数\alphaが代数的整数,もしくは整数であるとは,以下の形式
\alpha^m + a_1\alpha^{m-1} + a_{2}\alpha^{m-2} + \cdots + a_{m} = 0
,ここでa_1,a_2,\ldots,a_mは有理整数,を満足することである.

具体例:\alpha = \frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{2}は代数的整数である.なぜなら\alpha^2 = 2 -\sqrt{3}から(\alpha^2-2)^2 = 3となり
\alpha^4 - 4 \alpha^2 + 1 = 0となるから.

これに続いて三つの定理が示されます.

定理2:任意の整数整関数Fは,すなわち任意個の整数\alpha,\beta,\gamma,\ldots有理数係数多項式は整数である.

定理3:代数的整数a_1,\ldots,a_rを係数に持つ任意次数rの以下の形の等式の根
x^r + a_1 x^{r-1} + \cdots + a_r = 0
は代数的整数である.

定理4:ある代数的整数\alphaが同時に有理数であったとすると,それは有理整数である.