今回目標にする定理は次のものになります.これは複素数を別の方法で表現することにつながります.
二つの実数が与えられたとき,正の実数と角を用いて
と書ける.
証明:とすれば,
が成り立つ.これは二つの実数が単位円状にあることを意味する.
よってある角度を用いて
と書ける.両辺にを掛ければ定理が示された.
複素数の話に戻りましょう.を上の定理のを用いて書き直すと
と書けます.これを複素数の極形式と言います.
は原点からの距離,は軸からの角度を表します.
複素数の文脈ではを動径,を偏角と言います.
などの記号を用いることもあります.
は一つに決まりません.なので
の整数倍だけ不定性があります.