第一回
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前回
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前回の記事では型の素数についての結果をガウス和を用いて解釈しなおしました.今回は型の素数について考察していきます.まずは次の定理を目標にします.
型の素数は型の素数と型の素数の二つがあります.この二つはが異なるグループに属することになるので場合分けが必要です.まずは型の素数について見ていきましょう.
の素数とします.以前の通りを法に関する原始根とします.さらにの最小剰余を次の4つのグループに分割します.剰余を原始根のベキで表現したとき,その指数が4で割り切れる剰余の集合を,その指数が4で割って1余る剰余の集合を,などとします.さらにかつなる剰余の個数をで表します.
であるためは合同方程式の解の個数です.対称性からが言えます.のときです.
にを乗じると,方程式はに移行します.逆向きの変換も可能なのでこれら二つの合同方程式の解の個数は等しく,ここからが言えます.
この二つの事実 , を用いるとガウステーブルは以下のようになります.
第二行の総和はの個数に等しいので,が言えます.第三行,第四行の総和もそれぞれに等しいことが分かります.第一行の総和はであるのでに等しく,これらをまとめると次のようになります.
第一の式と第二の式を見比べることでが得られ,第三の式と第四の式を見比べることでが得られます.
前回のガウス和の考察をここで用います.なる複素数とすると,の絶対値はに等しいことが言えます.
です.
からとなり,からとなります.
以上のことをまとめると,となります.の絶対値の二乗はに等しいのでここから
が言えます.
型の素数も同様の議論が成立し,となるが存在することが言えました.
次は
定理2:となる整数は二項係数から計算が可能である.
を目標にしましょう.再びとします.
とすると,今までに得られた等式からをで表現することができ,
となります.
さてとして,和の剰余を考えましょう.これはとなります.一方はもしくはならばと合同であり,もしくはならと合同であることが言えます.ですので,和はとなります.これに上式を代入すると,となります.両者を等置してが言えました.
ならばが成り立ちます.から,すなわちとなります.よっての絶対最小剰余をとすると,合同式は剰余を取り払っても成立し,が成り立ちます.
の場合もこれと同様の議論が展開でき,定理
定理2:となる整数は二項係数から計算が可能である.
を得ることができました.