こんにちは。今回はガウスの発見した定理について紹介します。
で割って余る素数は二つの平方数の和で書けることをご存知でしょうか。例えば
のように書けます。
これは「存在型」の定理であり具体的なとの値はわからないといわれています。しかしガウスは四次剰余の理論を展開する際にこのとを具体的に計算する公式を発見しています。今回はこの公式を紹介したいと思います。なお証明はしません。証明は次の本を参照してください。
公式の紹介に入る前に一つだけ「絶対最小剰余」という概念を準備しておきます。任意の整数は法に関してのいずれかに合同になります。これを「最小非負剰余」といいます。ここでをスライドさせると、任意の整数はからまでのいずれかの数に合同にできます。例えば法をとして考えると、任意の整数はのいずれかに合同になります。 これを「絶対最小剰余」といいます。
さて、本題に戻りましょう。のを具体的に求める公式は以下のようになります。
、とします。そして
とします。ここで分母は法に関する逆元をかけることを意味し、は法に関しての絶対最小剰余とします。このとき
となります。
具体的な値で計算してみましょう。とします。このとき
となり
となり無事にが得られました。ぜひ他の素数でもやってみてください。
このブログでは自分が面白いと思った定理などを書きとどめていく予定です。