公式
の正の根をで表すと
早速証明していきましょう.
スツルムーリウヴィル型微分方程式とはなる実数値連続関数が与えられたとき次のような微分方程式を指します.
ここでは未定の定数です.
考察の区間を閉区間として,次の境界条件を考えます.
このとき
(i)微分方程式が境界条件を満たす解を持つような定数は離散的で最小値を持つ.それを固有値といい,その解を固有関数という.
(ii)それぞれの固有値に対する固有関数は定数倍を除いて一意に定まる.
(iii)固有関数は境界条件を満たす連続関数のヒルベルト空間において直交基底をなす.ただし内積は
で与えられる.(見にくい記号ですがはてなブログでは「やまかっこ」が不安定なのでこうしてます.)
これらを既知として証明を進めます.
の根の定理を得るためにはとし,区間を,境界条件を
とします.最初にヒルベルト空間の基底,すなわち固有関数を求めて行きます.
このとき微分方程式は
となります.
とすると,境界条件を満たす固有関数は存在しません.
のとき,を持ちます.
のとき,となり,境界条件からが成り立ちます.
そこで固有関数はとの番目の正の解をとしてとなります.
スツルムーリウヴィル理論より,境界条件を満たす関数はこれらの固有関数の線形和で与えられます.内積記号で書くと
となります.ここで,であることを用いました.
この公式にを代入します.であること,であることを用いると,
となり,を代入することで
となります.
さらに上の式においてであることと,であるからが大きくなるとはほぼと考えてよいこと,の絶対値はを超えないことから項別微分が可能です.
項別微分を二回行うと,
となり,の極限を取ると,
となります.
次の記事でよりの一般的な公式を導く方法を考察していきたいと思います.